メタロック B
メタロックBは二液式ゴム金属加硫接着剤の上塗液です。
メタロックBは下塗りにメタロックASなどを用いることにより、天然ゴム,スチレンブタジエン系合成ゴム、ポリブタジエンゴムなどと鉄鋼その他の金属を加硫時に、安全且つ、強力に接着することができます。
特徴・用途
メタロックAS-メタロックB接着は次のような特徴があります。
イ.未加硫ゴムとの密着が良好で、特にタンクライニングその他未加硫ゴムとの密着性保持を必要とする場合に好適です。
ロ.使用前に攪伴その他、特別の処置を必要とせず、取り扱いが容易であり接着作業上の失敗が少ない。
ハ.加硫温度および時間の影響を受けることが少なく、70℃より170℃前後にいたる各温度で接着することができます。
ニ.接着部は耐熱、耐油、耐水、耐薬品性および機械的疲労などいずれもかなり良好な耐性を有し、安全、確実な接着を得ることができます。
性状
外観 |
赤色液体 |
---|---|
比重 |
0.86 ~ 0.90 (20℃) |
主溶剤 |
トルエン |
安定期間 |
1年 |
粘度 |
15~40 mPa・s(20℃) |
不揮発分 |
5.5 ~ 7.5 % |
引火点 |
5 ℃ |
接着方法
金属面処理
表面の油、汚れ、サビを取り除き、清浄な表面処理をすることが必要です。
また、表面をショットブラストその他の方法で適当な粗さに仕上げると、なお良好な接着が得られます。
メタロックの塗布
金属面にメタロック AS を塗布乾燥後その上にメタロックBを塗布します。
乾燥後未加硫配合ゴムを貼付け、あるいは圧入して加硫します。
メタロックBは室温で30分で乾燥します。
メタロックBを塗るときは、メタロックAS塗膜を溶解しないように注意してください。
メタロックB塗布後は、長時間放置せず、なるべく早く未加硫ゴムを密着させてください。
メタロックBを塗布してそのまま長時間放置すると、接着力は次第に低下する傾向にあり、一昼夜後では2~3割低くなります。
このような状態になってもトルエンに溶解したゴム糊(共糊)をメタロックBの上に塗ると接着力は回復しますが長時間放置するときは、メタロックAS塗布だけで放置するかあるいはメタロックAS-Bの上にゴム糊を塗っておくようにしてください。
メタロックBをハケ塗りする場合は、なるべく原液のままお使い下さい。
スプレーの場合はキシレンで2~3倍に薄めて下さい。
標準塗布量はメタロックB30g/㎡程度ですが、オープン加硫の場合はこれより厚く塗る必要があります。
厚く塗りすぎても、接着力の低下の心配は殆どありません。
使用後のハケの洗浄は、キシレン又はトルエンとMEKの混液が適当です。
ゴムの貼付け
接着すべきゴム面は汚れ、指紋、打粉、ブルーム等のないものを使って下さい。
このような汚れのあるものは、揮発油等で取り除き接着性のある状態にする必要があります。
タンクライニングその他、大型接着物、又は硬度の高いゴムの接着の場合、メタロックBの上に揮発油、共糊又はゴム配合の多いゴム糊を塗布して下さい。
一般にゴム糊あるいはゴム拭き溶剤は揮発油が安全でありますがメタロックB塗布後長時間放置した場合はトルエン糊が適当です。
加硫接着
ゴム貼付けに溶剤を使用しない場合は直ちに加硫に移ることが出来ます。
溶剤あるいは、ゴム糊を使った場合は接着部の残留溶剤が揮発するまで放置してから加硫に移って下さい。
加硫方法はプレス、オープンスチーム、熱湯、熱空気等 どの方法によっても接着できますが、接着力はプレス加硫が最大です。
オープン加硫では巻き締めを充分にし、接着部がなるべく直接蒸気又は、熱湯に接触しないようにして下さい。
取扱上の注意
メタロック各製品は労働安全衛生法による第二種有機溶剤を含有していますので、換気等には十分注意して下さい。
また、消防法第四類ですので火気厳禁をお願いします。