メタロック AS
メタロックASは黄銅、ステンレス、その他特殊金属にゴムを接着する場合の下塗り液でメタロックAの改良型であり、メタロックAより低温加硫に優れています。
特徴・用途
メタロックAS-メタロックBを用いた接着は次のような特徴があります。
イ.未加硫ゴムとの密着が良好で、特にタンクライニングその他未加硫ゴムとの密着性保持を必要とする場合に好適です。
ロ.使用前に攪伴その他、特別の処置を必要とせず、取り扱いが容易であり接着作業上の失敗が少ない。
ハ.加硫温度および時間の影響を受けることが少なく、70℃より170℃前後にいたる各温度で接着することができます。
ニ.接着部は耐熱、耐油、耐水、耐薬品性および機械的疲労などいずれもかなり良好な耐性を有し、安全、確実な接着を得ることができます。
性状
外観 |
緑色液体 |
---|---|
比重(20℃) |
0.92 ~ 0.98 |
主溶剤 |
MEK,キシレン |
安定期間 |
1 年 |
粘度(20℃) |
350~450 mPa・s |
不揮発分 % |
22 ~ 26 |
引火点 |
1.5 ℃ |
接着方法
金属面処理
表面の油、汚れ、サビを取り除き、清浄な表面処理をすることが必要です。
また、表面をショットブラストその他の方法で適当な粗さに仕上げると、なお良好な接着が得られます。
メタロックの塗布
金属面にメタロックASを塗布乾燥後その上にメタロックBを塗布します。
乾燥後未加硫配合ゴムを貼付け、あるいは圧入して加硫します。
メタロックASは室温で30分で乾燥しますが、一般に充分乾かしたほうが良く、メタロックASを下塗りしたまま長く放置してもかまいません。
はけ塗の時はメタロックASは厚め(50g/㎡以上)に塗る方が安全です。
メタロックASをハケ塗りする場合は、なるべく原液のままお使い下さい。
スプレーの場合は2~3倍に薄めて下さい。
メタロックASの希釈にはキシレンとMEKの同量混液を用いて下さい。
標準塗布量はメタロックAS50g/㎡程度ですが、オープン加硫の場合はこれより厚く塗る必要があります。
厚く塗りすぎても、接着力の低下の心配は殆どありません。
メタロックASは塗布量が薄すぎると(30g/㎡以下)接着力の著しい低下が起こる傾向があります。
使用後のハケの洗浄はキシレン又はトルエンとMEKの混液が適当です。
加硫接着
ゴム貼付けに溶剤を使用しない場合は直ちに加硫に移ることが出来ます。
溶剤あるいは、ゴム糊を使った場合は接着部の残留溶剤が揮発するまで放置してから加硫に移って下さい。
加硫方法はプレス、オープンスチーム、熱湯、熱空気等 どの方法によっても接着できますが、接着力はプレス加硫が最大です。
オープン加硫では巻き締めを充分にし、接着部がなるべく直接蒸気又は、熱湯に接触しないようにして下さい。
取扱上の注意
メタロック各製品は労働安全衛生法による第二種有機溶剤を含有していますので、換気等には十分注意して下さい。
また、消防法第四類ですので火気厳禁をお願いします。